双星の煌めきは月夜に魅せられて


エレナの家の前について、部屋の番号が分からなかったのでメールで尋ねた。



『204』



返信が来て、俺はその通りの場所に向かった。


表札はなかったが、その番号があったのでおそらくここで合ってる。


インターホンを押してしばらく待っていると鍵が開いてるから入って欲しい、とのことだった。



「……っ」



まず鼻についたのは、青臭さ、甘い匂い。


この匂いは薬物乱用の常習者によくある匂いだ。


おそらく、これは大麻か……?



床に散らばっているのは水道代や電気代の請求書で、お金に困っているのは一目瞭然だった。



「エレナ……?」


「……」



すすり泣く音が聴こえて、俺は鼻をつまみながら急いで奥へ進む。


エレナは部屋の隅で小さく埋まっていた。


もう一度、彼女の名前を呼べば彼女は不安そうな表情をして顔を見上げた。

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