双星の煌めきは月夜に魅せられて
待って、エレナは優生の彼女ではないか。
遠い場所だったらまだしも、倉庫から割と近いこの距離だ。
ふたりでスーパーに入って、更には
──彼氏である優生すら入ってないエレナの家に一緒に入ったんだ。
桜蘭の誰かに見られてもおかしくない。
いや、だけど俺達は付き合ってないし、きっと見られてない。
だから大丈夫だ。
それに俺は捜査の為に必要なことなんだ、それくらいのことをしなきゃ目的を果たせない。
「……」
美味しそうに頬張る俺を見て、頬杖つきながら優しく微笑んでいる。
あれ、エレナってこんな顔するんだったっけ?
「朔夜くん?」
「あ、なんでもない……」
ジッと見つめていたらパチっと目があったので、俺は逸らしてしまった。
そして何かを追い払うかのように、唐揚げを黙々と食べていったのだった。