双星の煌めきは月夜に魅せられて
⁑
☆
「じゃ、ありがと。ご馳走様」
「あたしこそありがとう、気をつけてね」
それだけ交わせば、俺は玄関から出て帰路を辿った。
そして家に着けば気難しい顔した月那がパソコンの画面を見ている。
何を見ているのかプライバシーにも関わるし、分かったとしても俺には理解できそうもないので、とりあえず挨拶だけでもしとこう。
「ただいま」
「おかえり朔夜。エレナは大丈夫だったの?」
「ああ」
……というか、俺エレナのところに行くって月那に言ったっけ?
記憶を頼りに思い出しても、そんなこと伝えた覚えがない。
「エレナが朔夜はいい人だねって言ってたからね。心開いたんたんじゃないかなって」
「いつのまに……」
「数日前にLIMEでそう言ってたわ」
とはいえ、それでも言い当てたなんて結構すごいと思うんだけど……。
流石は月那だとしか返す言葉がない。