双星の煌めきは月夜に魅せられて

彼氏と言うことですら照れてる純粋さを壊したくないと願うばかりだ。



「……」



そっか、失恋したのか。


ふと思った言葉に俺は心の中でわずかなわだかまりがあった。



「とりあえず授業だから座ろう!」



月那の一声で席に戻って授業を受けた俺は、いつも以上に集中できたのだった。



なずなの彼氏は穏やかで優しい人だと聞いた。


良かった、そういう人なら安心してなずなを任せられる。


いつか月那と一緒に紹介してもらわないと。



「朔夜、大丈夫?」


「なんか平気」



月那が心配して声をかけてくれたからか、俺は平然といられた。


おかしいな、もっと落ち込むかと思ったのに。



……失恋ってこういうものだったっけ。


なんかあっけらかんと終えてしまった恋に俺がついていけなくなった。

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