双星の煌めきは月夜に魅せられて






「で、話を聞かせてもらいますよ!」


「……なずな、教えて」



お昼休みになって、さっきの眠気は噓みたいにどこかに行ってしまった私。


人気のないところになずなを連れ込み、朔夜と共に問いかけた。



「月那ちゃん、朔夜くん……私は大丈夫!」


「大丈夫じゃなさそうだから聞いてるの!
ね、朔夜?」


「うん、なずなが心配」


「朔夜くん……」



朔夜は言葉数が少なくて聞き上手だ。


昨日の夜の朔夜は、彼の渾身のコミュ力を出しているため、今の朔夜が素だったりする。


だけど、素の朔夜の言葉は一言一言がちゃんと重みがあって丁寧だから、相手にしっかりと伝わるのだ。



「そうだよね。
あの……話聞いてもらってもいい?」


「うん!もちろん!」



なずなが頼ってくれたことが嬉しくて弾んだ声で耳を傾けることにした。

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