双星の煌めきは月夜に魅せられて






「あれ、今日は千尋だけ?」


「うん、光希は女の子とデートだし、優生と凛太郎は見回りで今はいない」


「光希は相変わらずだな」



光希の最近わかったこと。


夕食代やホテル代を出してもらうためだけに、大人の女性とデートをしているようだ。


それは結構前からやっているとのことだが、桜蘭を明かさない限り好きにしろと優生の言葉で好きになっているらしい。


損得で動くだけの男ってこういうことなのか、と俺は呆れずにはいられなかった。



『だって、お金ないし。僕が顔整ってるからちょっといいことしただけですぐお金もらえるし』



前に光希が例の不味そうなポテチを頬張りながら、サラッと言うものだから、彼にとっては普通のことだったのだろう。



「……エレナは?」


「エレナなら今日は部屋に閉じこもるって、禁断症状が現れて行けそうになかった」


「せっかく一週間辞められたのに、そんな上手くいかないか」



……そう。


月那に告げられた驚くべき事実。


やはり俺達の予想通り、及川千尋は味方なのだ。



だが、それだけではない──
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