双星の煌めきは月夜に魅せられて
何も相談しないで月那は勝手に千尋に俺達が月夜だと言った。
いや、月那がそう判断したなら間違う訳がないけど……俺だって月夜なんだよ。
一言だけでも言って欲しかったと思わずにはいられなくなる。
双子なのに、妹が何を考えているのか全く分からない。
「胡桃を見てくれて本当にありがとう。
俺はまだしも胡桃は逮捕しちゃうんだろ?」
「……ああ、あいつには申し訳ないけど依存症の回復と組長逮捕のために利用する」
「それが月夜の役目なんだからしょうがないよ」
茶髪のメガネから暴走族も想像できないのにさらに上の暴力団の若頭までいきやがった。
「それにしても君が組とか想像できないんだけど」
「見る?結構すごいよ」
いきなりシャツを脱ぐからギョッとしたが、見せてくれたのは刺青で。
背中にたくましいイーグルの刺青が大きくあった。
そこに彼の生きた証が刻まれていた。
もちろん俺は絶句した、それと同時にこんなに綺麗なものなのかと見惚れたりもした。