双星の煌めきは月夜に魅せられて
「さっきからずっと気になってたこと聞いていい?」
「いいよ」
「胡桃が優生と付き合ってることどう思うんだよ?」
千尋の言動にどこか引っかかる。
"胡桃を闇に染まらせないために"
"胡桃を見てくれて本当にありがとう"
千尋が桜蘭に潜り込んだ理由は彼女で間違いない。
少なくとも彼女に特別な想いを抱いてる。
だけど、胡桃が好きなら俺にありがとうなんて言うか普通。
いや人それぞれだし、そこは関係ないのは分かるのだが、どうしても気になってしまう。
「優生が本気だからね。別に胡桃を好きじゃないからどうも思わないよ。強いて言えば、末永くお幸せにって感じかな」
「そうなのか?」
「可愛いのは認めるけど、あくまでも家族みたいなものだよ。朔夜くんと月那ちゃんほど繋がってるわけじゃないけど、家族みたいに思ってるからね」
……そうか、胡桃のこと好きじゃないんだ。
優生は本気だと月那から以前から聞いていて、相当の惚れっぷりだとのこと。