双星の煌めきは月夜に魅せられて

失敗という言葉であることを思い出す。



「……そういえば俺の失敗話とかしてない」


「そんなことも言ってたね!聞いてみたいな!」



そう言われてもここ最近で失敗したことがあったとしても思い出せない。


パッと思いつくのは今日の体育のサッカーでシュート外したことぐらいだ。


誰だってありえるし、それを果たしてエレナと同等の失敗なのだろうか。



「……あ」


「聞かせて聞かせて!」



なんとかひとつ捻り出せたけど、失敗談を話すのがなんだか恥ずかしいな。


急かしてくるエレナに苦笑しながら俺は話し始めた。



「実はなずなが好きなんだ」


「……え」


「今は違えど最初はエレナのこと、なずなを陥れる最低なヤツだって思って、桜蘭滅ぼそうとか考えてた」



エレナは口を閉ざして、バツ悪そうに顔をうつむかせた。


……そんな顔しなくてもいいのに、今は違うんだから。

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