双星の煌めきは月夜に魅せられて
口数が少ないのが本来の俺で、エレナの前だと少なくなっているということは
俺はエレナに素を見せてたっていうことなのか。
そういう意味だったら、エレナは安心できる数少ない存在かもしれない。
「むしろ安心する」
「……っ、そっか、ありがとう!」
少し頰を赤くしてどこか嬉しそうだ。
しかし、すぐに複雑そうな表情に変わってしまった。
「大丈夫?」
「うん!」
唐揚げを食べ終えて、俺達は改めてエレナの症状について話し合った。
事前に月那に色々聞いて、専門家がアドバイスすることはこんなことだよとかたくさん指導してもらったので、今の俺ならエレナに何かできるかもしれない。
「桜蘭に行ける時はクスリやった後の数時間だけ。禁断症状が出るまでに帰っては家でずっと横になってた」
「学校は行ってたの?」
「ううん。クスリのせいで遊びの誘いとか全部断っちゃってたら友達いなくなっちゃって、学校に行く気が失せちゃった」
「そっか」