双星の煌めきは月夜に魅せられて
彼女に深く介入してしまったか。
俺はとんだお節介をしてしまったのだ。
確かに前に進もうとしているエレナの力になりたい。
自分の嫌なところを見つめて、逃げたいだろうに頑張っているんだ。
誰もができることではないことを一生懸命もがきながらやろうとしてるんだ。
……だけど、それとこれとでは話が違う。
俺は捜査協力者で、エレナを逮捕しなくちゃいけないのにも関わらず、
エレナを逮捕するためにもっと関わるべきだ。
依存症を回復させるためだ。
そんな建前の理由をつらつら考えながら
「──いいよ」
「本当に?」
「うん」
この無邪気な笑顔を見て、胸が締め付けられて幸せと感じてしまう。
俺はどうすればいいのかわからなかった。