双星の煌めきは月夜に魅せられて
月は隠す
<月那side>
「ツキ、帰るの〜?」
「うん、そろそろ行こうかな。
明日も学校あるし、早く寝ないとね!」
いつも通りのある日。
エレナは今日も来ていない。
ちなみに朔夜は捜査の関係でエレナの元へ向かったようだ。
「俺が送る。月那、行くぞ」
「わ、わかった!では、またね!」
「うん、バイバーイ」
朔夜がいない時は優生に送ってもらうことが増えた。
他の人でもいいのに、優生が「俺が行く」と貫いたので、今では自然と優生が私を送る当番となっている。
まあ、その理由は容易に分かるのだけど。
「今日もエレナ来なかったね」
「……エレナ、どうしてんだろ」
いくら捜査のためとはいえ、今頃エレナは朔夜と一緒にいるはずだ。
人の事情を許可なく話すわけにもいかず、私は何も答えることができない。