双星の煌めきは月夜に魅せられて
朔夜と一緒にいるよなんて言えるわけない。
……どうすれば優生が傷つかないで済むのか。
桜蘭であることを除けば関係ない存在なのだ。
巻き込まれた人、被害者といっても過言ではない存在に優生は値する。
最近では、そのことばかり考えながら捜査に励んでいる気がする。
それは邪念ではないし、被害者のケアは必要なことだから、それを追い払う必要などない。
ない、けど……
「乗れるか?」
「乗れる!何回目だと思ってるの!」
目の前の大きなバイクに数え切れないくらい乗ったんだから、乗れる。
そう意気込んだが、助走なしでは跨ぐことが難しいのを気づいてしまった。
「お前は双子だから小さいのは当たり前だろ」
「……女子の平均だし」
「俺から見れば十分小さいわ」
ふてくされた私を見て笑った優生は、私を軽々と抱き上げてバイクに乗れるように催促してくれた。