双星の煌めきは月夜に魅せられて

じゃあ、どうすればいい?


どうすれば桜蘭に留まることができる?


どうすればアイツを逮捕できる?



いくら捻っても、三村胡桃を利用する以外に思い浮かばない。


頭脳が簡単に廃れたら困るのに、それ以外何も思い浮かばない。



「……月那?」



こういう時だけ優しく名前呼びはズルいよ。


不覚にもキュンってきてしまったではないか。


優生の前だと飾ろうと思っても飾れない。



「ない、けど……もっとここにいたい」



いつぶりだろう。


こうやって自分の欲求を言葉にするのは。



家の前でバイクを止めた優生はバッと後ろを振り向いた。


その表情は驚きに満ちたもので。


そして、私の顔を見て息を飲んだ。

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