双星の煌めきは月夜に魅せられて
「……気持ち言うだけでこんなにも照れるもんか、普通」
「しょうがないじゃん!本当の気持ちを言うの久しぶりすぎて……」
「え、今まで偽ってたのか?」
「偽ってたというか感情を作って、無理矢理じゃないけど無理矢理みたいな……だから!
あなたといると初めてばかりの感情がやってきて、どうすればいいのかわかんないの」
面食らう優生に必死に説明する。
「……ふっ、そうか、初めてか」
「……っ、え、と」
花が開いた満面の笑みに私は言葉も忘れて見入ってしまう。
「だったら、これからもっと色んな感情が知れるな」
「だけど今は優生にしかこんなことならないの」
「じゃあゆっくり頑張ろう。そばで見守ってるから」
優生の笑顔ってこんなにも綺麗なんだ……。
苦笑を含ませた視線があまりにも柔らかくて優しくて、頰に熱が集まる。
「……ありがとう」
優生がいれば、普通の人が持つ当たり前の感情を大事にできるのかな。