双星の煌めきは月夜に魅せられて
「色々ありがと。何かあったらまた頼む。
じゃ、夜遅いし早く寝ろよ」
「うん……また明日」
優生はバイクに乗って、颯爽と来た道を戻っていった。
私は優生の姿が見えなくなったのと同時に帰宅したのだった。
「……」
それにしても、エレナといつデートするんだろう。
私の勝手な解釈だけど、優生はきっと脆い。
エレナの秘密を知るとなると、きっとあの人は……抱えていけない。
そして苦しんでたエレナに気づけなかった自分をひたすら責めるだろう。
優生は優しいし責任感が強いから、きっと壊れてしまう。
「……宿題やろ」
私は頭の整理するために、数学の宿題に取り組んだ。
しかし、簡単だから頭を使うよりも手が動いてしまうため、そこまで整頓されないまま終わってしまった。
知らないことを知れるのはとても楽しい。
だけど、高校の内容があまりにも簡単で、教科書に書いてあることは、もう既に私の知っていることばかりだからつまらなくて。
あまり達成感を得ないまま、静かに眠りに落ちた。