双星の煌めきは月夜に魅せられて






最近、茶色に染めた髪が嫌に思える日がある。



「やっぱ傷んでる」



染めると髪が傷むというのは本当のことで、パサパサになる髪を見つめてため息をこぼす。


最近は捜査のことで手一杯だったから、美容院とか行けてなかったな。


茶色に染めたのは高校入る時。


高校生デビューとまでは言いたくないけど、明るいキャラでいくなら茶髪が必須じゃないかという私の判断で染めたのだ。



「どうした?」


「ああ、朔夜。ちょっと髪傷んでるなって」



眠たそうな目をこすりながら洗面所にやってきた朔夜。


顔を洗いにきたのだろう。



「戻したら?」


「うん、そうする」



やっぱり黒髪に戻した方がいいか。


髪を巻いてからポニーテールにしようとヘアゴムで結わんでると、朔夜が口を開けているのが目に映る。


本当に目が隠れるくらい前髪が長いから、表情が見えないのだ。

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