双星の煌めきは月夜に魅せられて
信じがたい気持ちはまだあるものの、私達は予定が空いてる日に美容院の予約をした。
「その髪色久しぶりに見た」
「あたしだって、本当に朔夜なのか疑ってるよ」
そして、お互いにセットが完了した。
朔夜は根暗から一転、スポーツ青年の爽やかさを与える印象になった。
朔夜の目をまじまじと見れる日が来るなんて思いもしなかった。
「最近の月那はなんかいい」
「え?」
「表情が作ってない感じでいいなって」
「あ、ありがとう……」
最近は驚くことが次々に起きたから、作れなかったのかもしれない。
想定外のことをサラリとするのが人なんだと、ここ最近新たに学んだことだ。
ここのところの私はどこか理性より感情を優先してしまう。
感情を大事にできる一歩だとしたら、優生のおかげかもしれない。