双星の煌めきは月夜に魅せられて
だけど、脳裏に浮かぶのは、エレナのこと。
優生が本気でエレナを想っているのに、私が介入してもいいことなのか。
形式的に私が悪くないのは分かってる。
恋愛をする権利は誰にだってあるし、それは自分が制御できる話ではないから。
でも、どうしても私が悪いと思ってしまう。
「買わないの?」
そこまで高くはないし買えるけど、私が取る行動はもう決まってた。
「……うん!今はいいや」
「そっか」
「それより早く帰ろう!夜ご飯作らないと」
原因がわかって、対処法どうしようかと思っていたら簡単だった。
気づけたことでより冷静になれた。
浮かべた笑みはいつも通りの笑顔だった──