双星の煌めきは月夜に魅せられて
……と、まあイケメンを見放す人なんかいないわけで。
「あの、服部くん、ちょっといいかな……?」
「うん」
まさかの告白ラッシュが発生して、朔夜は唯一の安らぎである昼休みが潰れてしまった。
私も朔夜の双子だから何かとモテるのではと思うかもしれないが、残念ながらそんなことはない。
私は朔夜となずな以外とはそんなに話すことはない。
自ら壁を作って、懐に入らせないようにしているので、話したいと思われてもその壁のせいで話せることは少ないだろう。
「……大丈夫?」
「帰る」
まだ放課後にもなっていないのに、朔夜は疲れてしまったようだ。
やっと帰りのホームルームが終わり、げんなりしている朔夜に声をかける。
「じゃあね、なずな!」
「うん、またね〜!月那ちゃん、朔夜くん!」
「……じゃ」
私は朔夜を引っ張って、桜蘭の倉庫に向かったのだった。