双星の煌めきは月夜に魅せられて
「ヤッホー!」
「月那さん!黒に戻したんですね!
一瞬誰だか分からなかったっす!」
「皆に言われる!それよりもっと変わった人がいるの気づかない?」
「確かに、隣にめちゃくちゃイケメンな奴いますけど⋯⋯誰っすか?」
なずなの時はすぐに朔夜だと分かったのに、この人達は分からないようだ。
付き合いが短いから、それは仕方のない話なんだけれども。
「分からないの?地味にショックなんだけど」
「え、朔夜……?嘘だろ!?」
やれやれといった表情で朔夜が口にすれば、そのイケメンの正体は言わずもがなで。
その直後、周囲がざわざわし始めた。
朔夜が人に囲まれるのを良いことに、私はそっと輪の中から抜け出した。
私はそれよりも、優生に見てもらいたい。
でも、今日はエレナが来るんだったっけ。
きっと優生は私じゃなくて、エレナを送るんだろうな。
⋯⋯ってそんなの考えてる場合じゃない、いちいち嫉妬してないで早く幹部室に行こう。