双星の煌めきは月夜に魅せられて
「ごめん、何て言った?」
「ううん、何でもないよ〜!ツキも立ってないで座りなよって言っただけ」
「じゃあ、座らせてもらおうかな」
光希に促されて、私は近くのソファーに腰かけた。
彼も隣に座り、私はそれをチラッと横目で見れば、目がバッチリ合ってしまった。
その眼差しがなんだか慈愛に満ちた目線で。
……光希、ねえ、本当なの?
『──この顔、誰にも見せたくない』
自分の瞳が揺れているのが、彼の目に映る。
しかし、彼は何も言わないのであれば、私はどうすることもできない。
「おめーらも仲良いよな」
「そうだよ、今更すぎるよ凛太郎」
「じゃ、付き合うのも時間の問題ってやつか」
ぶっ飛んだ話に私は唖然としてしまう。
光希と付き合う……まさか、そんなことを考える日が来るとは思わなかった。