双星の煌めきは月夜に魅せられて






「え、それは本当?」


『ああ、ジンの仲間を尋問した』



いつものパパとの定時連絡。


主に捜査の進捗について話しているのだが、事件が大きく動き始めると肌で感じた。


三村胡桃と麻薬密売人が今度大きな取引をすることになった。


それも二週間後。



「三村が桜蘭を攻めるのはそろそろってことね」


『ああ、三村胡桃を逮捕したらすぐやって来るだろう。油断はせずに今後も頑張りなさい』


「わかってるよ、気をつけるわ」


『無理はするなよ。娘と息子が危険な場所に行くのは不安だから、しんどいなら辞めてもいいからな』



パパは優しい。


捜査の進捗よりも、私達を心配してくれる。


親だから当たり前かもしれないけど、それでも血は繋がってないという事実があるから。


今ではパパのことを赤の他人とは思わないけど、引き取られた当初は怖い人なんじゃないかと朔夜と一緒に震えてたな。


パパのためにもこれまで以上に捜査に励まないと。

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