双星の煌めきは月夜に魅せられて
電話を終えて部屋でパソコンで捜査について調べていると、玄関からドアが開く音が聞こえた。
「おかえり、朔夜」
「ただいま」
朔夜は夕方から出かけて、日付が変わる少し前に帰ってきた。
最近、朔夜はそんなサイクルを繰り返すことが多い。
それも朔夜のスマートフォンに着信音がなると、必ず外に出るのだ。
こんな時間まで何をしているのだろうか。
「ご飯は?」
「食べてきた」
年頃の男子はみんなこういうものだろうか。
いや、それにしても遅い。
流石に心配になってくる、そもそも高校生がこんな夜遅くまで出歩いてちゃいけない。
「流石に遅いよ。もう少し早く帰ってきたら?」
「……気をつける」
この時だけ視線を合わせてこなかったので、嘘をついているのはバレバレだったが、触れて欲しくなさそうだから黙っておいた。