双星の煌めきは月夜に魅せられて
男が手に持つものをまじまじと見つめる少年。
1人の男が自慢気にそう言えば、他の2人も合わせてがははと下品な笑いをした。
『おそらく覚醒剤のヤーバーね。
多分今警察通報したら、現行犯で捕まるね』
フードの少年の耳に付けてある通信機から女の声がする。
「……コイツらシロっぽいぞ」
『うん、だろうね。
でも犯罪者には間違いないから好きにしていいよ』
「了解、じゃ通報しといて」
笑い声に交えて、少年は小さな声で通信機の声と会話する。
「おい、ガキンチョ!さっさと飲めよ!」
「その前に仲良くなれた証に名前教えてよ」
息が臭い男に我慢しながらも少年は嬉しそうな声を上げて、男に問いかける。
男達が名乗った名前を聞いて、目当ての者はなかったと判断した。
「そっか、じゃあ大人しく────捕まれ」
「おい、何言って……ぎゃあ!!」
少年は1人の男の腕を掴めば一瞬の隙を与えることなく攻撃し、撃沈させた。