双星の煌めきは月夜に魅せられて
「あ、いたいた!ツキ〜!」
「光希……」
捜査が始まって半年を過ぎようとしている。
光希の好意に気づいたのは3ヶ月前なのだが、彼は普通に私と接していた。
あの時の言葉は私の聞き間違いなのかもしれない。
だけど私はあの時、光希に抱きしめられたのだ。聞き間違いをする距離ではないはずだ。
忘れればいい話なのだが、私の記憶力の良さのせいでそう上手くいかない。
「そろそろ期末テストなんだ〜」
「光希もテストなんだ!私も来週からテストなの!
一緒に頑張ろう!」
「うん!だけど、僕頭悪いから単位取れるか不安なんだ〜」
彼曰く「あんまり学校行かないから、テストで点取らないとキツイんだよね〜」とのこと。
話を聞けば、週に一回は必ずサボるとのことなので、ひどい時には一週間休む時もあるらしい。
たしかに、これは頑張らないといけないかもしれない。
「じゃあ、今から勉強しよっか」
私は鞄から教科書を取り出して、黙々と読み始めたのだった。