双星の煌めきは月夜に魅せられて
光希もそんな私を見て勉強を始めたのだが、早速躓いたみたい。
「教科書って読むもんなの?どうやって勉強してるの?」
「学校の勉強は宿題以外何もしてないよ」
「それでトップ校の1位なのか。流石はツキ」
光希が広げたのは、数学Bの教科書だった。
ここから察するに、彼は高校2年生だ。
「え……光希が勉強!?
オメー、一体何があったんだよ!?」
「いきなりうるさいなあ。僕だって勉強するに決まってるでしょ?」
「去年"勉強ってこの世で1番いらないものだよね〜。僕にはやる必要ないわ〜"って言ってたよな!?」
やってきたのはもちろん凛太郎で、凛太郎の言葉に私はあることを思った。
そしてそれは、ここにいる人達も同じことを思っただろう。
「凛太郎って……モノマネ上手いね〜!
まじでまんま僕だったよ!」
みんなが思ったことを光希がそのまんま代弁して、彼はケラケラ笑った。
「ぷっ、ははは……!」
「凛太郎、他のモノマネやってよ〜!」
そのままつられるようにみんなが笑い始めて、こういうのを楽しいのだと久しぶりに感じたのだった。