双星の煌めきは月夜に魅せられて
笑いが収まると、光希の目線がこちらに向けられていることに気づく。
「ツキってこんな風に笑うんだね」
「え……?」
「普段からこうやって笑えばいいのに」
光希は可愛い顔して、侮れない人だ。
作られた表情と自然な表情の差を見抜けるなんて、彼は洞察力が飛び抜けているに違いない。
「ほら、凛太郎のせいで勉強できなかったじゃん!
僕、全然わからないから教えてよっ」
「うん、もちろん……!」
ムスッとしている光希は年上とは思えないくらい可愛らしくて、私は思わず微笑みながら彼の隣に座り込んだのだった。
「……頭良いのは知ってたけど、そこまでとは思わなかった。ツキって高1だよね?」
「うん。まあ、教科書の内容は大体頭に入ってるから」
「それに、年下に教わるとか立場逆転してて複雑なんだけど」
「だったらなんで教えてほしいって言ったのよ!
凛太郎とか優生だっているじゃない!」
すると、光希は私の肩に頭を預けた。
ただでさえ、距離が近かったのにさらに至近距離なって密着度が増してしまった。