双星の煌めきは月夜に魅せられて
「そっか」
この想いは優生に決してバレてはいけない。
誰にも言えない。噂になって広まって、優生の耳に入るのを恐れているのだ。
しかし、私はあと数週間でいなくなるだろう。
エレナを逮捕するまで2週間弱。
上手くいけば、私と朔夜はここにいる用がなくなる。
そしてエレナは有名暴力団の娘な訳なのだから、メディアによって桜蘭の情報が流出されるだろう。
桜蘭の情報をパパには全て渡しているのだから、メディアに関しては時間の問題。
もし桜蘭を解散してしまったら、私のせいなのだ。
それも考えると、光希の気持ちに応えない方が妥当だろう。
「まあ、そんな訳だから少しは考えて欲しいな〜」
「うん、わかった……本当にごめんね」
「なんで謝るの?じゃ、着いたからここまでだね」
家の前に着いてバイクから降りると、光希はまたねと片手を挙げながら来た道を戻ったのだった。
私はそんな光希を見て心苦しくなった。