双星の煌めきは月夜に魅せられて
「冷蔵庫に入れたの、明日の朝にでも食べて。
捨てるの勿体無いから」
月那は朔夜を心配そうな眼差しを向けたが、ただそれだけでそれを口にすることはなかった。
「あのさ、エレナが今度大きな取引をするみたいなの」
「え……?」
「警察はマトリと協力体制を取って、そこで逮捕するって」
朔夜は月那の言葉に耳を疑った。
それと同時に、エレナや桜蘭の人達と会えるのもわずかだということだと朔夜は理解してしまった。
「なんだかんだで楽しかったよね。寂しいのは分かるけど、目的のためなら仕方ないね……最後まで頑張ろ」
言葉を失う朔夜に気安めの言葉をかけると、月那は自室に向かった。
おそらく、最後の山場だから精一杯捜査に励みたいのだろう。
「……」
背を向けた月那を眺めては、朔夜はぼんやりとあることを考えていた。
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SIX STARS