双星の煌めきは月夜に魅せられて
夜は瞬く
<朔夜side>
なずなに彼氏ができた時から違和感はあった。
だけど、気のせいだとずっと言い聞かせてた。
「朔夜くん、そろそろ3ヶ月だね」
「……そうだな」
今日もエレナから連絡が入って、彼女の家で過ごすことになった。
頭の中は、エレナとあと何回会えるんだろう……ということばかり。
エレナが側にいるのに、俺は上の空だった。
「もーう!朔夜くん聞いてる?」
「……あ、ごめん」
「あと1週間だね!朔夜くん、予定入ってたりしてる……?」
ぼーっとしている俺を咎めることなく、もう一度優しく尋ねてくれた。
そんな優しさにまた募ってしまう。
「ううん、暇だよ」
……ごめん、月那。
何故か月那に謝りながら、俺はエレナにそう答えた。