双星の煌めきは月夜に魅せられて
エレナがクスリを辞めてそろそろ3ヶ月。あと1週間なのだ。
クスリが抜けてすぐは、薬物探索行動や禁断症状で苦しんでいた。
『やっぱり、あたしには無理だよ……っ』
『大丈夫。苦しいだろうけど、辞めたいんだろ?
エレナならできるって信じてるから』
ネットなどで購入しようとした姿を何度も見ては、俺は懸命に止めた。
時にはそれで怒鳴られたり、泣きついてきたりして苦労したけど、その甲斐あってやつれた顔もだいぶ良くなってきた。
振り返ってみると、本当にエレナはよく頑張ったなと思わずにはいられない。
……そういえば、エレナを逮捕するのって、覚せい剤所持と薬物乱用などのクスリに絡む罪状だ。
ここ3ヶ月クスリやってないのなら、薬物検査も陽性じゃなくて陰性になるはず。
家にある薬物も全て撤去しているので、エレナを逮捕する理由が無くなったのではないのか。
「じゃあ、来週末に一緒に行きたいところがあるから行こう!」
「……いいよ」
「やった!早く来週になって欲しいな〜!」
ワクワクした顔をするエレナがとても愛らしくて。
俺も思わず彼女に微笑んだ。