双星の煌めきは月夜に魅せられて
逮捕する理由が無くなれば、俺はもう少しエレナと一緒にいられる。
喜ばしい一方、割り切れない気持ちもある。
というのも、月那のことだ。
月那の捜査に対する真摯さを見れば、俺がこんなことを考えるのが後ろめたくなる。
だけど、エレナの明るさや優しさ、どこまでも直向きなところ。
それらを知れば、俺は止めることなどできなかった。
「今日はね、多めに買ったんだ〜!じゃじゃーん!」
俺にレジ袋を見せながらその中を取り出すと、そこには鍋の素があった。
「鍋……?」
「うん!今日は鍋にしよう!余ったら、それでスープにもできるし、思い切り食べよう!」
「うん」
頷けば、エレナ早速調理に取り掛かる。
その後ろ姿を抱きしめたくなって、また月那を思い出す。
……ごめん、やっぱり止められそうにないかも。