双星の煌めきは月夜に魅せられて







「筆記用具を置いてください。後ろから答案を集めてください」



チャイムと共に、周りが騒ぎ始めた。


試験最終日の最後の教科を終えて、テストからの解放感が一気にやってくる俺達。


俺もはしゃぎはしなかったが心の中でガッツポーズをした。



「朔夜、俺死んだんだけど!」


「……どんまい」


「うわー!朔夜の薄情者!!」



前の席のクラスメイトに話しかけられ、俺は苦笑しながらその場をやり過ごした。


自分で死んだって言っときながら良い点数を取るというのはお決まりのパターンである。


だから、あんまり信用できない俺は大した言葉もかけられなかった。



「お疲れ!ねえ、この後どうする?」



クラスメイトと話を終えて、支度していると月那がやってきた。



「……家に帰りたい」


「勉強頑張ったもんね!家でゆっくり休みな!」


「そうする」



俺は月那のお言葉に甘えることにして、今日は倉庫に寄らずに帰宅した。
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