双星の煌めきは月夜に魅せられて
洗濯物を取り込みながら、月那が歩く後ろ姿を見守っていると、彼女の歩く足がよろめいた。
俺が察知するより前に、月那は体のバランスを崩して倒れてしまった。
「月那っ!?」
洗濯物をソファーに放り出して、月那の元に駆け寄ると、彼女は目を閉じてやつれた表情をしていた。
……クマがすごい、睡眠不足の表れだ。
やがてすやすやと穏やかな息をするのを見て、ホッと安心した俺は、月那をベッドで寝かせておいた。
月那はこれまで何度も、寝不足で倒れてきた。
全ては捜査が原因だけど、父さんの負担を減らすために頑張るらしい。
『パパには絶対に言わないで!私のは寝たら治るんだから!』
という月那のお咎めもあり、俺は秘密にするしかないのだけれど、ここまで来たら父さんに話した方が良いかもしれない。
キッチンに立ち、冷蔵庫の中を確認すればカレーの材料はちゃんとあったので、俺は調理に取りかかった。
カレーのいい匂いが漂い、そろそろできる頃かなと鍋を見つめていたら、廊下から足音が聞こえた。
月那が起きたんだろう。