双星の煌めきは月夜に魅せられて
「どこから行く?」
「順番通りで良いと思うよ!時間もたくさんあるし、全制覇したいな!」
「そうしよう」
水族館に入場して、フロアマップを広げた俺達は大体の方向性を決めた。
開館時刻に合わせて来たのだから、時間は十分ある。
順路の通り、一番最初のフロアへやって来た。
「わぁー!!すごい!」
地元の海で生きている魚達が泳いでいる。
マイイワシの大群や、エイ、さらにはジンベイザメ。
それらがガラスの仕切りの向こうで生きているようには思えなくて、まるで映画を見ているかのような気分になった。
圧巻された俺は何も言葉にすることができず、対するエレナは感動の声をあげた。
「……すげー」
やっと絞り出して言えたのも、とてもありきたりな言葉で、こんな経験はいつぶりだろうか。
初っ端からこんなにすごいものをかましてくるとは、この後一体どれだけの感動を待ち構えているのだろうか。