双星の煌めきは月夜に魅せられて

館内レストランで昼食をとったり、


タッチプールで不思議な生き物に触れてみたり、


イルカショーやクラゲがたくさんいるファンタジーホールなど、色んな海の生き物達を観察していた。


そうしているうちに全ての展示を制覇することができ、最後にお土産があるお店に立ち寄った。



「朔夜くん、何か欲しいの?」


「うん、記念にね」



外はもう茜色に包まれている。


そろそろ終わりだと告げられてるようで、どこか切なくなる。


……エレナとこうして出かけるのは最初で最後だ。


何か記念になるものが欲しいと思うのは、当然のこと。



「ねえねえ、朔夜くん!これ可愛くない?」


「……っ」



俺を呼び、ピンク色のイルカの大きなぬいぐるみをギュッと抱きしめるエレナ。


か、可愛すぎだろ……っ


胸がキュンと疼く俺の横で、エレナは他のぬいぐるみを次から次へと眺めて「可愛い……」と呟く。
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