双星の煌めきは月夜に魅せられて
イルカのぬいぐるみが大きいというのもあって、エレナがさらに小さく見える。
というか、ぬいぐるみ欲しいのかな。
「ごめん、お手洗い行くね」
「わかった」
エレナがお手洗いに行く間に俺は、ピンクのイルカの小さなぬいぐるみを買ったのだった。
買い終わり、外で待ちながら今日のことを思い返して、楽しい時間に浸っていた。
そして出口からエレナがやって来て、俺達はゆっくりと歩いて駅に向かった。
「朔夜くん、本当にありがとうね!」
「俺は何もしてないよ」
「そんなことない!すっごく助けられたんだから、お礼ぐらいは言わせてよ」
微笑むエレナに俺は罪悪感が募る。
そんな俺の気持ちが伝わったのか、エレナは笑顔から泣きそうな表情に変わり、前へ進んだ。
「今日すっごく楽しかった。あのね……朔夜くんがすっごく好き」
突然だった。
だけど、彼女の好意が優生ではなく俺に傾き始めてることはなんとなく分かってた。