双星の煌めきは月夜に魅せられて
「いつも支えてくれて、いつのまにか朔夜くんに会いたいって思う自分がいたの」
日が沈んで、辺りは暗くなり、街灯が次々と照らしていく。
前を歩きながらポツポツと話していくエレナ。
顔は見えないけど、泣きそうな声音だった。
「……エレナ」
エレナを振り向かせて、俺は溢れる想いのあまり彼女に口付けた。
片手で彼女の後頭部を支え、もう片方で彼女の腰を強く引いた。
俺も好きだから、泣かないで。
不安なら俺が振り払うから。
──離したくないんだ。
しばらくの間、俺は唇を通じて彼女に愛をぶつけた。
「な、なんで……っ」
キスを一旦やめてエレナの顔を見てみると、困惑した表情が見えた。
「……好きだから。エレナが好きだから」
1回目は小さな声で、2回目ははっきりと言った。