双星の煌めきは月夜に魅せられて
そしてエレナも、俺と同じ選択をしたと思う。
だけどどうしても嫉妬しまう俺は、もう一度彼女に深くキスをした。
今度は先程よりも受け入れてくれて、俺達は2人だけの世界で距離がゼロになる。
──ごめん、優生。
俺がどこまでも子どもで、エレナを困らせてばかりで、本当にごめん。
エレナはきっと優生を裏切らない……裏切れない。
彼女は優生にも救われたと言っていたから。
だからこそ、クスリのことは言えなかったのだと。
恋人ではなく……浮気の関係だとしても俺はエレナの側にいるだけで良いんだ。
「……ごめん、帰ろっか」
やがてキスを終えた俺達は、手を繋いで今度こそ歩き出した。
お互い罪悪感を募らせるが、それでも一緒にいたい気持ちは止まらなくて。
だから、知らなかったのだ。
『……え、それはどういうことですか?』
今何が起きているのかということを。