双星の煌めきは月夜に魅せられて
「だけど、好きだ」
月那が選む言葉の裏側には気づくことなく、俺はただ質問を返すので精一杯だった。
この緊張感の原因を俺は知らずにいる。
月那は何を知ってしまったんだ……?
「……そう」
月那はそれっきり黙り込んでしまった。
俺も必然的に黙り込む。
また考えるような顔つきに変わる月那は、顎に手を当てて少しだけ俯いた。
「……だったら、どうして……っ」
すると今度は悔しそうに、辛そうに、悲しそうに、苦しそうに言葉を紡ぐ。
今にも崩れそうに見えた。
月那が、壊れてしまうと思った。
なんて声をかけようか考えたその矢先──
「詳しいことは解らないけど」
月那は一呼吸置いて、
「パパが査問を受けることになった」