双星の煌めきは月夜に魅せられて

ということは、エレナを捕まえられなかったということになる。


そのことにホッとした俺は、どこまでも中途半端な奴だ。



「……朔夜、本当はこんなこと聞きたくない」



渋い顔をしながらも月那はスマートフォンの画面を俺に見せた。


そこにあるのは徹底的な証拠といっても過言ではない。



「これは朔夜でいいんだよね?」



そこには、俺とエレナが手を繋いでいる写真。


迂闊だった。大勢の人の前でそんなことしてたら、バレるリスクが高くなるというのに。


エレナが捕まって欲しくないという心の表れで迂闊という表現が出てしまった。



「……ああ」


「……っ、嘘でしょ?じゃあ、朔夜はエレナと付き合って……でもなんでさっき否定したの?」


「……好き合ってるだから」


「そういうのどういう関係か分かって言ってる?」



そんなの、聞かれなくても分かってる。


だけど、それ以上に俺は強く望んだんだ。
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