双星の煌めきは月夜に魅せられて
「……ああ、分かってるよ!!
浮気の関係だとしても、俺は一緒にいたいんだよ!」
淡々と聞いてくる月那に何が分かる。
感情を忘れた月那には分かんないだろうな。
響き渡る怒号は月那の胸に突き刺さったのを俺は気づかなかった。
「……今回パパが査問を受けたのは、朔夜がエレナを庇ったから。その朔夜をパパが隠そうとしていたからではないかっていう警察側の意見があったから」
俺の大声に一瞬面食らったが、それでも普通に語り出した月那。
その声に、俺は苛む感情が薄まり冷静になった。
そして、とてつもない後悔の念が襲いかかる。
「朔夜が情報を流した流してないはどっちでもいい」
悔しかった。そこで"朔夜はやってないと信じてる"と言われなかったから。
「詳しい日程は知らなかった私達だけど、時期は知ってた。今週来週あたりの取引を辞めさせれば、朔夜にだって十分にできる、ということから警察は全面的に朔夜を疑ってる」
「……っ」
俺はそんなのやってない。
エレナがクスリを辞められるように協力はしたけど、捜査に関しては何一つ言っていない。
しかし、そんなところで何になる。