双星の煌めきは月夜に魅せられて
「……なんでいつも……冷めてるんだよ!?」
また怒り……いや、寂しさといった方がいいのか。それを月那にぶつける。
月那は少しは感情を曝け出せるようになったけど、まだ年頃の高校生らしさからとてもかけ離れていて。
まだ全てではない……どうしてそこまで変わってしまったんだろう。
同じ血が流れてる双子なのに、どうしてこんなにも違うんだろう。
そう思い、月那を改めて見つめた時、俺は驚いたあまり、開いた口が塞がらなかった。
「……っ、私だって……!」
──月那が泣いた。
こんな綺麗な涙を見たのは、いつぶりだろうか。
俺を鋭く睨みつける瞳から溢れた雫が、ゆっくりと降りていく。
「朔夜が取り乱すだろうから、私が一番しっかりしなくちゃって思ってるの……!」
なんでこんな時に
──月那の感情が全て解放された瞬間を目の当たりにしてしまうんだろう。
もっと普通の時に、何も起きてない時だったら、俺も全力で喜ぶのに。
どうして、月那や父さんが辛い時に……。
喜ぶだろうということしか頭になかっただけあって、複雑な気持ちで迎えるとが思わなかった。