双星の煌めきは月夜に魅せられて
「私だって朔夜みたいに、笑ったり泣いたり……恋したりしてるんだよ……っ」
「は、恋ってのは……」
月那が恋って、想像できない。
好きな相手はどれだけ完璧な相手なのだろうか。月那の好きになる人は隙もないくらい完璧な人に違いない。
それに、月那が思う恋は俺の恋とは違って、少し間違った意味で捉えている可能性だってある。
「どんな時も会いたいって思って、エレナが泣いてたり笑ったりしたら俺も同じ気持ちになって、優生がめっちゃ羨ましくなるんだよ……月那も同じだって言うのかよ!?」
「……じゃあ、言わせてもらうけど」
目を吊り上げ、怒りを露わにした月那は、どこか悲しそうだった。
そして目尻に雫がたまってる。
「エレナと朔夜が好き合ってること自体は悪くないし、浮気が悪いからやめろとか叱るつもりはないけど……ないけどさ……」
たまった雫が降りていき、最後の声は震えていた。
「優生はどうなるのよ……っ」
──ああ、ちゃんと恋してるんだな。
そう思わずにはいられないくらい、月那は悲しくて切ない瞳を俺に向けた。
そして月那の好きな人も悟った。