双星の煌めきは月夜に魅せられて






やはり、朝からたくさんのメディアが家まで押しかけてきた。


月那は無言で俺の腕を引っ張って、そのままその場はやり過ごせたのだけれど。


通学路を歩いていると、繋がれた手は離れて、月那は黙ったまま先を歩き始めた。



「月那……!」


「……」



……これは口を利くつもりはないな。


そりゃあ、そうなるよな。


俺のせいで父さんは査問になったし、挙げ句の果てに好きな人の彼女と浮気って……月那が怒るのも無理はない。



「兄妹喧嘩で家に帰りたくないってマジかよ……」



とりあえず、夜もメディアの目から避けるために、授業が終わるなり俺は桜蘭に訪れた。


月那はもうそんな俺を予測済みか、桜蘭に来ることなく、なずなの家に一直線に向かった。


なずなは険悪な雰囲気を醸す俺達を見て、オロオロして挙動不審になってたな。


なずなにも申し訳ないな。日を改めて謝ろう。



「ったく、しゃーねーな。今日は俺の家で泊まれよ!」



兄妹喧嘩だということで家に帰れないということにして、泊めてほしいと懇願したところ、凛太郎が受け入れてくれた。
< 242 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop