双星の煌めきは月夜に魅せられて
ということで、凛太郎の家に訪れた。
マンションで一人暮らししているかと思いきや、ごく普通の一軒家で家族と仲良く暮らしているようだ。
「あら?凛ちゃんの友達?あらやだ、めっちゃイケメンじゃない!」
「お兄、このお兄ちゃんの名前何ていうの?」
玄関で出迎えてくれたのは、凛太郎の母と妹。
妹に関してはまだ小学生3年生のようで、だいぶ歳が離れているようだ。
「……服部朔夜です。どうも」
「あら、名前までカッコいい!凛ちゃんと仲良くしてくれてありがとうね〜」
「おい!とっとと入れさせろ!!」
痺れを切らした凛太郎は、靴を脱いで強引に奥の方へ進んでいった。
「……お邪魔します」
「はーい、ゆっくりしていってー!」
歓迎モードに戸惑いながらも、俺は凛太郎の後を追って、上がらせて頂いた。
凛太郎の家の雰囲気で忘れてはいけないことまで忘れてしまいそうだ。
笑顔を崩さないようにしながらも、気を引き締めた。