双星の煌めきは月夜に魅せられて
そういえば、初代総長って……金持ちだったっけ。
だから倉庫もあんなに綺麗というか……広いっていうのを誰かから聞いた気がする。
「優生は初代のことを誰よりも尊敬してて、だから初代が社会人になって桜蘭を抜けた後、優生が総長になって今に至るんだけど」
「色々衝撃的な発言……」
まず優生と凛太郎が幼なじみであることにも驚きだし
優生が喧嘩もできないのに、桜蘭に入るとか……誰よりも現実と向き合いそうな総長が無鉄砲なことしないって思ってたのに。
意外な一面を見たもんだ。
「お、衝撃ならまだあるぜ。俺、小学生の頃はイジメられてたんだぜ」
「は……?」
何故か誇らしげに話す凛太郎。だけど、確かにおったまげる内容だった。
凛太郎は赤毛で目が常に吊り上がってるという、典型的なヤンキー顔なのだ。
小学生の頃ならいじめられっ子よりも、いじめっ子の方がイメージに合う。
「で、そん時に優生に毎度助けてもらってよ。そんな優生に恩返ししたくて、俺も桜蘭に入ったんだよ」
「そうなんだ……」
「ま、俺も喧嘩できなかったから、優生と一緒に初代に教えてもらったんだ!」