双星の煌めきは月夜に魅せられて
言葉の真意を問えないままなので、考えることしかできない。
だけど、答えが分かりそうで分からないのだ。
「……何にも守れねえ訳じゃねーだろ?」
「え?」
「朔夜はむちゃくちゃ強えじゃねーか!
強えからこそ、守るもんが多いんだろ?」
「……!」
そう、なのか……?
月那、父さん、エレナ、桜蘭。
守るものはどれかひとつに絞ることができない。
それぐらい大事なもの。
「……確かに多いかも」
「な?強えやつって何か守るもんがあんだよ。
弱えやつはな、守るもんも知らねーでただ拳を振るやつだ」
凛太郎は遠い目をして、苦い表情をした。
もしかしたらその弱えやつを思い出しているのかもしれない。
それでも何かを語る凛太郎を見て、凛太郎とここまで話すなんてことは初めてかもしれないと思った。