双星の煌めきは月夜に魅せられて
「守るもんが多いなら、その分だけ強くなれ。
わざわざひとつにする必要なんかねーんだからな!」
「……!」
何故だろう、答えが見えてきた。
とはいえ、完全にではないのだけれど。
前向きな気持ちになれて、俺は今なら月那にちゃんと向き合える気がする。
「桜蘭は秘密めいてて、あんまり喧嘩ねーからよ。朔夜の実力とかはまだ知んねえけど、まだまだ強くなれるってことだ!」
「うん」
「一回間違ってもよ、次はちゃんと守れるように強くなればいいだけだ」
「だから、頑張れよ!」と背中を押してくれた凛太郎に感謝の気持ちしか生まれてこない。
「……ああ、ありがとう」
「なんか、直接言われたら照れくせーな。
早く寝て、明日ちゃんと月那と話せよ」
「わかった」
そして電気を消した凛太郎は、寝つきが早いのか数分でもう目を閉じて穏やかな息を立てた。
俺も、早く寝ないと。
目を閉じていたら、いつのまにか寝ていたらしく、次に目が覚めたのは翌朝のことだった。